お客様からのご質問で「耐候性と耐光性はどう違うのか?」というご質問をいただいたことだがありました。どちらも読み方は同じですが、少し意味合いが違ってきますので、今回はその辺をご紹介しようと思います。
耐候性とは、プラすチックや塗料などの有機素材が光、熱、水などの劣化要因に対して耐えうる能力のことをいいます。具体的には太陽光による紫外線、雨や風、温度による熱変化等に対してどれだけ強いかということになります。
耐光性とは塗料やインクなどの素材が紫外線にたいしてどれだけ耐えうるかという能力のことをいいます。
ステッカーや看板業界などでは一般的に「耐候性」という言葉を使っており、弊社でもこのステッカーは耐候性3年程度というように言葉を使っています。ステッカーというのは弊社でも定義しているとおり屋外用途になります。従いまして、小さなステッカーなら車ステッカーやバイクステッカーなどのように乗り物に貼って使っていただいています。大きなステッカー(カッティングステッカーや看板など)ですと建物やガラス窓に貼って使っていただいています。いずれにしても屋外ですので、太陽の紫外線、雨、風等の気象条件が厳しいところで使われていますので、耐候性が大変重要になってきます。以前に良くあったのはこうした知識のない業者様で屋内用で使っているものを屋外用途ですと販売して、1か月もしないうちに紫外線で褪色してしまいクレームになってしまったことです。また、屋内用のラミネートであるPP(ポリプロピレン)を屋外用のステッカーに施工してしまい、雨風にさらされて数か月でラミネートがボロボロになってしまったということもあったようです。
ステッカー印刷のベースは屋外用途のベース素材を使うのが決まりですし、そのベースに施工するラミネート素材はUV対応の塩ビラミネートかPET素材のラミネートを使うのが決まりになっています。私たちも20年ぐらい前は当然初心者ではありましたので、ステッカー作成に関する知識を猛勉強させていただきました。ステッカー印刷の方式、ベース素材の知識、ラミネート等様々な知識が必要になります。インターネットの初期の段階であったこの頃はというと意外といい加減な知識でもステッカーは売れていたようで、いい加減な知識のまま販売していたため先に上げたように紫外線で色が飛んでしまったとか、ステッカーの表面保護フィルムがすぐにボロボロになってしまったとか、そのようなご相談が弊社に来ていました。そのたびに「これは屋外用ではない素材を使ったいたためですよ。」とか「これはステッカーに関する知識のない業者さんですね。」とかご説明しておりました。今だに屋内用のシールを屋外用として販売しているところもあると、弊社のお客様に聞くこともあります。
シール印刷などを含め印刷全般の知識が難しいということがありますので、お客様だけでなくステッカーを販売している業者様でも知らないとこが結構あるのかなと思います。私自身は若いころにアルバイトで製版屋さんにいたことがありまして、印刷全般の知識はここで学びました。後に広告会社でもサラリーマンをしていましたのでもっと深い知識が身についているつもりです。また、パソコンによるDTPが普及しているためこれらの関連知識も必要になってきました。
ちなみに弊社で一番耐候性が高いのはシルク印刷のステッカーになります。次いでフルカラーステッカー、カッティングステッカーもメーカーによって色々と差がありますが弊社ではなるべく長持ちするメーカーのものを採用しています。ステッカーのことについて分からないことがございましたらご相談ください。